NeosTrackを買った
PowerProが手持ちのサイコンで使えず、相性問題で悩むのも嫌なので同じGIANT製で気になっていたNeosTrackを買った。
2018 Giant Bicycle [ NEOS TRACK ]
まだあまりレビューがないサイコン。地図回りに少し癖があるもののサイコンとしては非常にお手頃で満足できる性能だと思う。
NeosTrackの特徴
- お安い。Garminのエントリーモデル並みの値段でパワーメーターに対応し、簡易的なナビ機能も付く。
- 表示は最大1画面10項目と多く、バックライト付き。数字は大きく見やすい。
- 電池が長持ち。GPSを省電力モードにしてセンサを使わなければ33時間持つらしい。センサありでどれだけ持つかは不明
- NeosTrackアプリを使って出先でスマートフォンのみでルート作成ができる
- 対応センサはAnt+のみ。Bluetoothはスマホとの接続のみに使う
- 走行ログのアップロードはスマホのNeosTrackアプリとBluetoothで接続して行う。アップロードに少し時間がかかるが、接続そのものは素早く安定している。NeosTrackサイコン自身でWifiに接続して行うこともできるが、我が家の環境では電波状況が悪いのかうまくいかないことがあった
- ルートのダウンロード、ファームウェアのアップデートなどはWifi経由で行う。スマートフォンとのBluetooth接続では行えない
サイコンとしての性能
ファームウェアのバージョンによってUIが異なるらしく、マニュアルはver27用とver24用の二つが公開されている。手持ちのものはR032と表示されていた。
対応センサはAnt+のみ。Bluetoothはスマホとの接続のみに使う。
対応する表示項目は製品ページに書いてある。スピード、ケイデンス、心拍、パワーには対応している。電動シフトの情報も表示できるらしい。地図表示中は標高グラフも出る。
https://www.giant.co.jp/giant18/acc_datail.php?p_id=A0002115#technologies
GPSは建物がなければまあまあ正確に取れていそう。
荒サイのちょっと複雑な場所のログ。右上の久々すぎて道を間違え引き返したところまでそれっぽく取れている。これはスマートモードと呼ばれるモードで記録したもので、1秒モードというのに変えるともっと精度が上がるらしい。
NeosTrackアプリ
iPhone、Android、Web版(PC用)の三種類がある。NeosTrackアプリで行えるのは以下。
- 走行ログの閲覧
- Bluetooth接続による走行ログのアップロード(PC版除く)
- ルート作成
- StravaおよびTrainingPeaksとの連携設定
走行ログのファイルをダウンロードする機能はない。データが欲しい場合は後述のUSB接続で取得するかStravaやTrainingPeaksとの連携を設定しておいてそちらから取得する必要がある。
ルート作成画面ではルートラボのようにピンを置いていくことでルートを作る。スマホを使用して出先で地図を作れるのはうれしい。この方法で作成したルートにはナビがつき、次の曲がり角までの距離などが表示される。
難点としては、途中経過を保存することはできず、間違えて画面切り替えたりしたら最初からやり直し。過去に作成したルートを後で閲覧・編集することもできないしgpxなどの汎用の形式でのエクスポートもできない。
作成したルートは次回wifiでの同期時にダウンロードされる。消したら二度とダウンロードできないため、大事なルートはバックアップを取っておいてもよいかもしれない。後述のUSBケーブルでの接続により行える。
地図の使い方
地図の追加方法は3通りある。
- アプリを使う
- 走行ログからルートを作成する
- GPXファイルをインポート
アプリを使う方法で作成した地図は次の曲がり角までの距離などのナビゲーションも作成される。表示される地図の縮尺が良くわからないので、ナビなしでは次の曲がり角までの距離がよくわからない。
コンパスが内蔵されていないので、サイコンの向きと地図の方角は一致しない。ルート上にいるときはルート進行方向が上に、ルートから外れたときは北が上になる。前述の縮尺がよくわからないのと合わせて、ルートから外れた際は戻るべき距離と方角が分からなくなりこれ単体で戻るのは難しくなるかもしれない。あと逆走しててもわかりにくい。
GPXファイルは後述のUSB接続でインポート可能。
USB接続
PCとUSB接続すると以下のように見える。
- Add FilesはナビにGPXファイルをインポートする際に使う。ここに.gpxファイルをコピーし、USBケーブルを外すとTracks内に.smy、.tinfo、.trackが自動で生成される。
- PlanTripはよくわからない。中身は空だった
- Systemにはいろいろ入っている。あまり触らないほうが良さそうなのでまだ触っていない
- Tracks内にある.smy、.tinfo、.trackの三つのファイルがルートの実態のようだ。この3つのコピーを取っておき、NeosTrack側の操作でルートを消した後にコピーしたファイルを再度Tracks内にコピーすればルートが復活したので、バックアップを取りたい場合はこの3つのファイルをコピーしておけば良さそう。ルートを他の人と共有したい場合も使えるかもしれない(未検証)
- ログはfitファイルとして記録されているのでこれをコピーすれば使える
不満点とまとめ
不満はほぼ地図回り。比較対象がeTrex30xなので仕方ないところもあるが…
- GPSをオフにする項目が奥深くに埋もれているのでインドアトレーナーで使う際に手軽にGPSをオフにできない
- ルート地図の縮尺がよくわからず、方角もわかりにくい。NeosTrackアプリで作った地図はナビゲーションで次の曲がり角までの距離が出るためまだ使い物になるが、gpxをインポートした地図は次の曲がり角までの距離が分かりづらく、コース外れると戻るのが難しそう
- NeosTrackアプリの地図作成は途中保存ができないし過去のルートの参照もできない
- 地図を切り替えるには一度記録を停止する必要があるので地図を切り替える度にログが分割される
- 地図表示中はラップを押してもラップが作成されない
- Bluetoothとwifiどちらか片方では完結しない。Bluetoothは走行ログのアップロードしかできず、wifiは走行ログのアップロードがなぜかうまくいかないことがある。あとwifiは電波状況が悪いとすぐフリーズする
- 使う機会は少ないが文字入力が最悪
これを左右の移動しかできないスイッチで操作する。例えばAの後にaを入力するには下スイッチを26回押さなければならない。スイッチを押しっぱなしにすると早送りできるが速すぎて目的の文字を通り過ぎる。最悪
- マニュアルがほぼ検索に対応していない
まだ慣れていない点も多いので慣れれば問題ないかもしれない。どうしても慣れなければこれまで通りeTrex30xと併用すればよいだけで、サイコンとしての機能はほぼ満足できる仕上がりと言えると思う。実際の使用条件で電池がどれだけ持つかはまだ確認が必要。