susutex’s blog

自転車、電子工作、プログラミングとかについて書くかもしれないブログ

SENSAH EMPIRE PRO 12sを試す

旬が過ぎて誰も話題にしなくなり今更感もあるが、SENSAH EMPIRE PRO 12sを買った。
結論から書くとホイールによってはRDがスポークに干渉するという致命的な問題が起きるので万人にはお勧めできない。
もし買おうと思っていて知り合いにすでにEMPIRE PRO 12sを運用している人がいるなら、買う前に手持ちのホイールをもっていって干渉がないか試させてもらったほうがいい。
ホイールとの干渉さえなければ変速自体は普段シマノ11s使っている人間でも不快感を感じないぐらいにはしっかり決まる。
シフト操作は多少慣れが必要そう。
消耗品についてはシマノ12sのチェーンを使えそう。スプロケットも使えそうだがまだ実走では試していない。

動機

Sora 3500組みの街乗りロードの変速がどう調整してもきれいに動作しない。
フロントはフロントシングルにすることで解決したがリアも変更したくなった。
何に変更しようかと思ったところで、前から気になっていたEMPIRE PRO 12sを試してみることにした。

どこで何を買う?

AliexpressでもAmazonでもいろんなセットが売ってるが、シフトレバー、RD、スプロケットだけほしい。
チェーンはちぎれると怖いのでシマノ製を使いたい。
今回はフロントシングルで運用するし、フロント変速ありで組むとしても先に手持ちのシマノのFDとクランクを試したいのでFDはいらない。

FDがいらないならSRX Pro 12sのほうが安く買えるが、RDが100g以上重くなる。
EMPIRE PRO 12sのRDはスプロケットの歯数が34tまでの対応なので、それ以上の大きさのスプロケットが使いたければSRXを選ぶとよさそう。

https://ja.aliexpress.com/item/1005005535377826.html?spm=a2g0o.order_list.order_list_main.17.21ef585a0D4UoA&gatewayAdapt=glo2jpn
不良時の返品などの面倒を考えるとamazonで買うほうが楽だが、Amazonでは余計なものがたくさんついたセットしか見つけられなかったのでAliexpressで買った。
STIはアルミ製とカーボン製のものがあるのでカーボン製のものを選んだ。
うまく探し出せなかったのでFDも付属したセットを買ってしまったが、あとで探したらシフトレバーとRDを別々に変えたのでそっちでよかったかもしれない。

https://ja.aliexpress.com/item/10000013551687.html?spm=a2g0o.order_list.order_list_main.11.21ef585a0D4UoA&gatewayAdapt=glo2jpn
スプロケットは別で購入。SUNSHINEというメーカーのスプロケットがセットで売られていることが多いようなのでそれを買った。
オプションがたくさんあるが12 Speed 11T-34Tを選ぶ。
軽量版もあったが、シマノスプロケットも試してそちらで問題なく動くようであればシマノスプロケットに移行するつもりなので、安くて重いほうを買った。

検品

届いたら即検品。



重量を測る。軽い。
製品ページにはSTI 442g RD 196gとあるので重量ではR8000とR9100の中間。
スプロケットは測り忘れた。
セットで付属したシフトワイヤを引っこ抜いてしまったが、このシフトレバーはシフトワイヤを差し込むのが難しいのでできれば外さないほうがいい。
古くなって少しでも先端がほつれたシフトワイヤを差し込むのはおそらく不可能。
古いシフトワイヤの先端をちょっとカットしてきれいにし、ペンチを使って押し込んだらなんとか差し込めた。

フロント変速のワイヤはそんなに細かくチェックしなくていいはずなので左レバーは紐が引けてることの確認だけ。
RD動作の精度は気になるのでちゃんと右レバーとRDを車体に組み付けて変速調整を行う。
トップとローを無視して調整するとトップとロー以外は問題なく変速が決まる。
この状態だとトップは異音が鳴る。トップが鳴らないようにワイヤを調整するとほかの変速が決まらなくなる。
見た感じトップ以外で変速が決まるように調整するとプーリーがトップより外側に寄りすぎているようなので、トップ側ボルトを調整してプーリーを内側に寄せるとトップで異音が鳴らなくなった。
問題はロー側で、最初に書いたようにホイールによってはRDのゲージとスポークが干渉する。
スポークとRDのゲージを可能な限り話すためには、変速が問題なく決まる範囲で可能な限りプーリーを外側に寄せ、ロー側調整ボルトを使ってローの動きを制限し、Bテンションボルトをめいっぱい締めてゲージをスプロケットから離すとよい。
これを行うことでNovatec Sprintは干渉を回避できた。
待乗りロードではもともとREACTO 4000 2020の付属ホイールを使用しており、こちらも干渉はぎりぎり回避できたが間隔がどうみてもNovatec Sprintの場合より狭く、軽く指でRDを押しただけでスポークと干渉した。荷重をかけてない状態でこれだが、インプレを検索すると荷重でホイールが変形するとスポークが干渉するという話も出てきたのでこのホイールを使うのはあきらめた。

スポークとの干渉は12sのスプロケットのロー側が11sのスプロケットよりもスポークに近いために発生する。
シマノ12sのスプロケットなら干渉を回避できるのではと思い試してみたがスポークの当たり方は変わらなかった。シマノ12sだとRDのゲージ寸法が違って干渉を回避できたりするのだろうか?持っていないからわからないが。
シマノスプロケットでも変速は同じように決まるので互換性はありそう。





まだ右レバーしか付けてないがこの後左レバーも付けた。
スポークとRDの隙間は1~2mmくらい?
ちなみにフロントはamazonで買えるナローワイドチェーンリング42tを使っている。

使用感

置いた状態で変速が問題なく決まるようになったらSUNSHINEのスプロケットを付けた状態で60kmほど走ってきた。
ホイール変形時の影響を見るさせるためにそこそこパワーをかけてみたりもしたが、スポークとRDの干渉は見られなかった。

リア変速はシマノ11s使ってるのとそんなに変わらない感触で決まる、多少変速のショックが大きいかもしれないが無視できる範囲だし、スプロケットシマノ製にすると改善するかもしれない。
シフト操作は、シフトアップSRAMのダブルタップレバーと同じく楽しいが慣れが必要な点が多い。
SRAMの場合はブレーキレバーとシフトレバーが独立しているが、SENSAHは独立していないのでブレーキレバー握ったまま不用意に力を入れるとシフトアップしてしまう。
シフトダウンは慣れが必要で、押し込みが足りないとシフトアップしてしまうし、押し込みすぎると不意に二段落ちてバランスを崩す。ダンシング中にシフトダウンしようとしたら二段落ちて転倒しかけた。
ローに入った状態でシフトダウンしようとすると必ずシフトアップしてしまう。SRAMはこの操作を筋力でキャンセルできるが、SENSAHはできない。
レバーとブラケットの隙間部分に親指を置いた状態でシフト操作を行うと指が挟まってとても痛いので気を付ける必要がある。

シマノスプロケットとの相性は置いた状態でしか見ていないのでまたそのうち実走で試す。